黒たまサンのただいまマンガ日記

久しぶりにマンガについてあれこれレビューしてみようかと思います!そんな素朴なマンガ日記です

パタリロ!の傑作『東に下水西に永遠』 レビューの巻

みなさん、マンガ大好きですか?

システムオールグリーン!
猫な、ヌイグルミゲーマー「黒たま」ですにゃん。
今回レビューしたい、漫画は、コレ!

 



魔夜峰央さん作『パタリロ!』54巻に収録されている「東に下水西に永遠」です。

パタリロ!』にはミステリー、コメディー、恋愛など色々なジャンルがあります

が、その中でも素晴らしいと喝采を送ってしまう作品だと思います。

 


どんな作品なの?


ズバリ一言でいえば、友情を交わした宇宙人を救おうと奔走する物語。

 

主人公パタリロは、部下に隠れて夜な夜な宮殿から抜け出します。
それに気づいた部下たちはこっそりパタリロの後をつけます。下水道の中を進んだ先には「下水人」と名づけられた宇宙人たちが住み着いていました。パタリロは下水人たちと友情を交わし、彼らの存在を秘密にしています。

ところが、アメリカによって下水道に毒ガスを投下する作戦が行われることを知らされたパタリロは、下水人たちを救おうと奔走します……。

 

 

今回のパタリロはなんと云うか……友情パワー全開でした。

「下水人」たちの命を救おうと、アメリカ大統領に対しても直接交渉します。

挙句の果てには「大統領 マリネラに核ミサイルがあることをお忘れなく!」とハッタリをかましますが、説得に失敗します。逆に、「下水人」たちの危険を高めてしまいます。そして、最悪な事態を目の当たりにして涙をします。

 


いつもの冷静なパタリロとは明らかに違っていました。

もしも、いつものパタリロならば……
持ち前の頭脳をフル回転させ、上手く「下水人」たちを救えたのかと思います。
しかし、この物語ではパタリロは失敗します。

 


その原因は、パタリロの「下水人」に対する想い……友情が強すぎた。毒ガス投下を阻止しようと、交渉相手のアメリカに対し、下水道に「下水人」という名の宇宙人が住み着いていると正直に話してしまう。それを聞いた相手の反応などを予想することはない。相手も理解してくれると安易に考えてしまった……
冷静さを失っていたのでしょう。

 


けれども、此処でワガハイは考えてしまいます。もしも、パタリロがいつもの冷静さと頭脳明晰さで「下水人」たちを救っていたら?
読者は、「パタリロはやっぱりすごい!」「国王の力って大きいんだな」と感心こそすれ、決して感動する物語にはなりえなかったかも……。

感心と感動とは明らかに違います。

 


友情ゆえに、友人を救おうとする。
しかし、友情の大きさゆえに、冷静さを失う。
結果、余計に友人を危機に陥れてしまう結果になる。

 


なんとも、皮肉なことです。
けれども、そこにワガハイは感動を覚えました。


しかも、物語のラストにはほんのわずかですが、小さな希望が残っています。
その希望とは何か?
良かったら、みなさんも読んでみてくださいにゃ。とってもおススメです。